
以前からサンプルを吟味し、ちょこちょこ仕入れて10色揃いました

という事でエルバマットを始めるにあたってこの革についてまとめてみたいと思います。
革マニア全開で行きますので長~くなると思います(笑)

【革】
エルバマット(ELBAMATT)
【産地】
イタリアトスカーナ地方サンタクローチェ地区(植物タンニンなめしの生誕地)
【販売会社】
TEMPESTI社(イタリア植物タンニンなめし革協会の発起人)
【原皮】
デンマーク等の北欧の多脂成牛
【部位】
ベンズ(背中からお尻にかけての最も繊維の詰まった部分)
原皮の中でも一番美しく、最高級と言われる部分
【染色】
100パーセント染料
【なめし】
タンニンなめし/バケッタ仕上げ(通常の約1.5~2倍のオイルでレシピは特許取得)
オイルレザーは数あれど、エルバマットはその中でも際立った質感の革です。
TEMPESTI社独自の製法(牛脂と魚脂の独自の配合で特許を取得)でじっくりと革の繊維の奥まで
多量のオイルを浸透させています。その量は通常の1.5~2倍と言われています。
表面はしっとりとしていて肌に吸い付く感じです。
一見クッタリとした印象ですが、使っている部位が牛の最高級といわれる背中からお尻にかけての
一番繊維の詰まった部分だけなので非常に丈夫な革です。
オイルを繊維の奥まで大量に浸透させるには長い時間と独自の技術やレシピ、コストがかかりますが、
色々なメリットが生まれます。
【オイルが大量に入っているメリット】
・オイル感のある魅力的なカラー
何とも言えないオイル感を備えた、深みのある雰囲気のカラーが特徴です。
種類も豊富で全色30色以上あります。
・擦れば傷が消える魔法のレザー
革を曲げたときに中のオイルの移動により色が変化するプルアップレザーです。(ブラックは色の性質上わかりにくいです)
少々の傷は染み出したオイルにより、擦れば目立たなくなります。
・メンテナンスフリー
通常であれば使用状況により数か月に一回はオイルメンテナンスを推奨しますが、
オイルが芯まで含まれている為メンテナンスの必要が無く、ずっと乾燥せず質感を維持できます。
・より"革らしさ"が楽しめる経年変化
中のオイルが自然に表面に染み出し、その部分が擦れることにより通常よりも強い艶がでて、
その分より深い経年変化をしてゆきます。
【オイルが大量に入っていることによるデメリット】
・パステル系や明るいカラーが無い
パステル系の淡い色は表現できません。
これはオイルを大量に入れる事によって染料の色が深く濃くなってしまう為です。
・色落ち、色移り
染料染めの革全般に言えますが、エルバマットも100%染料染めの革ですので水濡れによる色落ち、色移りがあります。
・色ブレ
手作業による染めの為、その時の温度や革の状態によって若干カラーにブレがあります。
・オイル移り
オイルの少ない革と表面が当たる状態で長時間放置しますとエルバマットのオイルが移り、
移ったほうの部分が変色してしまうことがあります。
※オイル移りはは通常数日程度では起こりません。

要するに簡単に言うと
「革の生誕地の老舗の技術をもって、通常よりもすごく時間を掛けて大量のオイルを染み込ませているのでメンテナンスがフリーで丈夫でエイジングが強い革」
ってことですかね。
それよりなによりやはり自分が惹かれたのはその 独特の色味と質感 ですね。
問屋さんや、革を扱う人ともこの革について色々話しましたが、皆さんの評価もかなり高いという印象でした。
サラっとしてカチッとしたスムースレザーもいいのですが、その対極の質感。
手触りもカラーにも重みがあって独特の雰囲気。
中はオイルがびっしり入っていて水が染み込みにくいのでウェットフォーム系(濡らして形作りをする事)は難しいのですが、
試行錯誤を重ねて何とか扱えるようになりました

キーホルダーやキーケースなどもいくつかオーダーで作り始めていますのでそのうちに商品ページを作りますね。

画像で伝わるかどうかはわかりませんが、しっとりモチモチでこの深いカラーは革好きの人にはたまらないと思います!

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